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南京譚 第6章 鉄人28号の思い出 [南京譚]

その日、我々はドン・タニシのカブトムシ号で南京町へと向かった。
いよいよ通販が大きく動き出し、それに関連してたかちゃんとの打合せが必要になってきたのだ。
今回は久々に車で行く。高速バスだと乗ってしまえば何も考えなくていいから
ラクだと言えばラクだが、ちょっと窮屈だし時間が気になってゆっくりできないのである。

タニシ  「よし。キマコ君、ナビまかした」
キマコ  「まかされた」
キマコさん、au助手席ナビに沿って誘導する。
天気は快晴で淡路島から見える海がきれいだ。明石大橋を渡り切りしばらく走ったところで
カブトムシ号が大きく左へハンドルを切った。
キマコ  「あれ。まだ須磨ですよ。元町だったらもう少し高速走って京橋ICから降りた方が…」
タニシ  「すまん、すまん。
      たかちゃんとの待ち合わせまでにまだ時間があるけんの。長田に行くぞ」
キマコ  「長田? 長田になんかあるんですか?」
タニシ  「鉄人28号に会いに行く」
キマコ  「はあ??? 進路変更。ええと『鉄人28号』で検索…うわっ、ほんまにでた!
      300メートル先、左折です」 

長田と言えば、阪神淡路大震災で壊滅的な被害を受けてしまったところ。
その復興のシンボルとして、新長田・若松公園に2009年秋、
鉄人28号の巨大モニュメントが作られたのだった。
『鉄人28号』『三国志』『バビル2世』などで知られる漫画家横山光輝氏は神戸出身。
タニシ   「♪ ビルーの谷間にワオ!」
キマコ   「♪ ワオ!」
歌いながら走っていると、駅の近くに一日最大800円という素敵なパーキングを発見。
車をとめる。迷うといけないので駐車場のおっちゃんに鉄人の場所を確認。
タニシ   「すんません、鉄人28号はどっち行ったらええですか?」
おっちゃん 「そこ」
振り向くとすぐそこに鉄人がいるではないか。おお! はずかし。

ジャ~ン!     
鉄人28号全景.jpg
この日、鉄人広場はアメリカンロックフェスティバルが開催されていることもあって人でいっぱい。
キマコさんと僕にとってははじめての鉄人28号との対面だった。
ドン・タニシにとっては、まさに鉄人は子供の頃のヒーロー。
でも、ここまで来たというのは、それ以上に特別な思い出があったようだ。

ドン・タニシことタニシマサオ少年が小学校の1年生だった頃。
今は亡き、はなばーちゃんに連れられて、
香川の田舎から神戸のポートタワーに遊びに行ったことがあった。
洗練された神戸のビルや赤いタワー、立体交差になった道路や線路を走る車や電車。
それは7歳の男の子にとって、すべてがワクワクするような光景だったに違いない。
けれど、マサオ少年が(54歳になる今も忘れられないくらい)心を奪われてしまったのは、
当時の子供たちに絶大なる人気を誇っていた鉄人28号のロボットだった。
中にモーターが入っているらしく、スイッチを入れるとガーッ、ガーッと足が動く。
500円くらいだったと少年は記憶している。当時としては高価なおもちゃだった。
マサオ少年、どーしても欲しくてたまらなくなり、はなばーちゃんにモーレツに訴える。
「そんなんいらんいらん」とばーちゃんは無視。機嫌を直させようとタワーの上へと促すが、
ここは譲れない。挙句の果てにマサオ少年、泣いてすがる作戦に出た。
はなばーちゃんは香川で言うところのがいな(気丈な)ばーちゃんだった。
ばーちゃんも負けてはいない。結局、ポートタワーの上まで連れていかれ、降りるまでずっと
泣いてがんばったが、買ってもらえなかった。

このとき以来、マサオ少年の中ではなばーちゃんはケチだと思い込んでいた。
ところがだ。成長したドン・タニシが、信心深いはなばーちゃんを初詣に連れて行った時のこと。
なんと賽銭箱に1万円札を入れるでないか。うわっ! ボケたのかと思ったらそうではない。
そんなんだったら俺に鉄人28号買うてくれ! ポートタワーの思い出が再び蘇ってきた。
きっと、はなばーちゃん、孫が欲しがるものを何でもホイホイと買うことに抵抗があったのだろう。
かわいい孫には必要な時、必要なものを買ってあげる、物やお金は大事にする子に。
みたいなばーちゃんなりの教育方針があったのだろう。お賽銭は価値観の問題。
ばーちゃんにとって何か大事なお願い事があったのかもしれない。

鉄人28号とタニシ君.jpg
タニシ  「♪ 股間の谷間でワオ!」
キマコ  「♪ ワオ!」
タニシ  「違うやろ! せっかく鉄人28号と一緒に写真撮ろうと思ったのに。
       鉄人の股しか写ってないやないか! メダカ、どう思う?」
なんか生まれたみたいですね。すばらしいショットだと思います。

鉄人プロジェクト.jpg鉄人お土産.jpg
商店街のはずれにある「鉄人PROJECT」まで行ってお土産を買う。
残念ながらロボットはなかったけれど、クリアファイルと携帯ストラップを買って
長年の恨みも晴れたのか、ご機嫌なドン・タニシであった。

ボス、何か忘れてやしませんか?  
タニシ  「お! 俺ら目的を間違えたらいかん。南京譚なんやから南京町にいかなあかん。
       元町でたかちゃんと待ち合わせや。ちょっと時間があるけん茶ーでもいっか」
次回、いよいよ南京町の人気店へ。
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